「あの淵を超える」-本当のシーズンラスト釣行

ボ・ロバン

2014年10月01日 21:00

先週末が渓流シーズン最後の釣行のはずでしたが、泣きのもう一度。


先週末の大きな淵で手詰まりになった渓流が気になってました。

今回は、前回超えれなかった淵を泳いで渡ることを計画しています。

その為、今回は荷物を減らして防水のデイパック。そして、時期的に寒いですが、海水パンツに速乾性のズボンをはいてウエットウェーディング仕様にします。


9月27日。

早朝、その渓流に到着。先行者がいないことに一安心。

数日前の、まとまった雨で水位が10cm程増えています。

濁りもなく、前回渇水気味だったので、ちょうど良いかも。

しかし当日は曇り。長袖のシャツを着ていてても肌寒く、サカナの反応も良くないです。


前回超えれなかった淵に到着。

今までのところ、小さいアマゴ2匹のみ。

前回はその淵を泳いで渡れそうでしたが、今回は増水し、淵のボトルネックの部分が白く波だっています。

気温も水も冷たく、泳ぐ計画をためらいます。


曇り空から太陽が少しでてきたので、泳ぐことを決意。

寒いですが、水中でのリスクを減らすため上半身裸、リュックにすべて詰め込み両手をフリーにします。

リュックは防水なので浮き袋状になり、それを背負いカメの状態で平泳ぎ。

しかし、泳ぎ始めは良かったのですが、ボトルネック部分の流れが強く遡上できません。

しかも水深は3メートルぐらいありそうで、水中では乱流している可能性があるのでUターン。

リュックにつけたネットが首に干渉して、さらに恐怖を感じました。

とりあえず泳ぐ作戦は失敗です。

流れは想像以上に危険で、今後はやめるべきと思いました。


上半身をしっかり乾かして、とりあえず冷静になり、パンを食べます。

この渓流は、広葉樹に囲まれたV字谷ですが、小さな流れ込みの10メートルほど上に、なぜか人工的らしき石積みがあります。

気になるので、傾斜を登り、直接その石積みを見みてます。

驚きです。

道があります。

釣りをしていて、渓流沿いに道があることは全く気づかなかったです。

その道は渓流に平行して続いています。

道はかなり崩れていますが、かつては車が通れるぐらいの幅があったようです。

1/2500の地図にもその道はないです。


おかげでその淵を乗り越えれました。

そして、太陽光に照らされた、コバルト色に輝くゴルジュ帯が現れます。

すぐにアマゴが釣れました。




ゆっくりした流れに、フライを漂わせ、連続してすぐにまた釣れました。

ドライフライにかなり派手に出てくれました。

かなり重いヒキです。

一瞬、「尺アマゴ?」と期待しましたが、

背びれにスレがかりでした…。



わたしにとってはかなりの良型のアマゴです。

銀化してない個体で、体高もあり、りりしい顔してます。

ここはパラダイスと一瞬錯覚してしまいました。


ここのゴルジュも水深があり遡上困難です。

泳ぐのはさっきで懲りたので、素直に先ほどに道に上がり、遠巻き。

フライロッドを悠々と振れ、抑揚がある良い渓流です。

しかし太陽が出ていたのは、ほんの一時。曇りで木々が覆いかぶさっているのでかなり暗く、フライを見づらく、たまに目で追いきれないです。

アマゴはポツポツだけです。

太陽がでれば、もっと釣れそうな気がするんですが…。

パラダイスと思えたのは、ほんの一瞬だけでした。



この先もまだまだ良渓が続きますが、初めてのエリアで車まで戻るルートに不安もあり16時には納竿。


なぜこの不思議な道があるのか、その理由がわかりました。

ずっと広葉樹の渓流ですが、納竿したあたりから二次林が確認できました。

植林されるときに作られた道だと思います。


順調に車に戻れました。

着替えると…、ゾクっとしました。

足にヒルが3匹へばりついてました。

小さいですが血を吸いまるまると膨らんでいました。

ヒルを取り外すと、血がにじみなかなか止血しませんでした。初めて山ヒルの攻撃をくらいました。


今回は想像すらしてなかった道を発見、さらに先に進むことができたのは大収穫。そして(スレですが…)良型のアマゴに出会え、泣きのもう一回に来てよかったと思えるシーズン最後釣行でした。

来シーズンはさらに上流域を探索したいと思います。イワナもいそうです。


夕方、車のラジオで当日御嶽山で噴火があり、犠牲なった方々が多くいるのを知りました。いたたまれない気持ちになりました。

御嶽山は決して遠い場所ではなく、山で釣りをやるものとしては、対岸の火事には思えませんでした。

お亡くなりになられた方、そのご家族の皆様に謹んでお悔やみを申し上げます。



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